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PROFILE

西 晃生

富山工業高等専門学校専攻科卒
現在は東京大学 新領域創成科学研究科において研究を行っている。
卒業後はWINGLE Co., Ltd.に入社予定。
様々な経験と、知識を持つ西さんに高専での生活とエンジニアについてお話を伺った。

人生を変えた瞬間

ーー何故高専に入ろうと思ったのですか?

高校からプログラミングをしっかりと学びたい、自分で実際にモノを作ってみたいと思い高専に行くことを決意しました。ですが、富山には商船高専と高専があって、商船高専の方には情報系の学科があり、プログラミングを勉強できると思ったのですが、一方で全寮制であることや、場所の都合などを考えた結果、富山高専へ入学することを決めました。

ーー富山高専に入学されて長い高専生活を経験したわけですが、何が一番印象に残っていますか?

専攻科2年の時の学位申請ですね。高専は本科でも専攻科でも論文を書くじゃないですか。そして専攻科2年の時には学位授与機構に学位取得の為にレポートを提出しなければなりません。その試験ってブラックボックスで誰が採点するか分からないという仕組みで。実際にレポートを書いて提出し、試験を受けたんですが、その年度自分含め4人が落とされました。
そこで担当教官に相談して、その試験の内容を伝えると博士課程相当の問題を出されていたんです。2月14日に不合格通知が渡されたのですが納得がいかず、校長先生、副校長先生を説得して学位授与機構に乗り込む許可を得て、学位授与機構に抗議をしましたが、結果は覆りませんでした。その時はすでに北陸先端科学技術大学院大学から合格をもらっていましたが、学位が取得できていないため進学できず留年することになりました。そしてもう一年の高専生活を経て東京大学に進学することになったこの経験が自分にとって印象に残った出来事、いや人生が変わった瞬間でした。
この一件以降専攻科において学士がなくても卒業できる制度になりました。とても大変でしたが、高専の歴史を変えちゃいましたよ!w

ーーそんなことがあったのですね。もう一年の高専生活を経て東京大学に入学しましたが、何故東大だったのでしょうか?

留年して、すぐ夏に向けて学位取得の為に準備をしていました。その時は北陸県内の大学を探していたので、北陸先端以外の大学は見ていませんでした。
そんな時に専攻科の先生に急に呼び出されたんですよ。そしてその時に勧められたのが東京大学だったというわけです。でも筆記大嫌いだし、東大なんて無理っすwと言っていたんですが、そういった考えも踏まえて先生が考えていてくれていたらしく、口頭試問に受かれば筆記免除になるという制度と一緒に紹介してくれました。先生が自分のことを色々考えてくれていたことに感動し、受けてみたのがきっかけです。

ーー優しい先生ですね。とても先生方と仲が良いように聞こえるのですが、何故仲が良かったのですか?

姉が高専卒なんですよ!よく学校にいるじゃないですか、兄、もしくは姉が同じ学校の卒業生で「あいつの弟か!」となって仲良くなるケース。そういう流れで仲良くなることもありました。ですが、自分だけが先生と仲が良かった訳ではなく、クラス全員が先生方と仲が良いイメージでした。少し高専っぽくないのかもしれませんが、馴れ馴れしいけど節度はわきまえるといった雰囲気でした。とても社交的でなかなか面白いクラスでした。
やっぱり高専のいいところって先生との距離が近いところですよね。でもいつも先生と一緒にいると気づきませんよねw 卒業して後々で気づくんですけどねw

新天地

ーー西さんとはあるイベントで一緒に参加させていただき知り合った訳ですが、元々北陸の方に住むと考えていた西さんが東京にあるウィングルに入社を決めたのは何故ですか?

一番大きかったのはやはり東京大学に入学したということですね。せっかくとても有名なところにうかったのだから北陸の方に戻ってこなくてもいいよと親が言ってくれたんです。元々安定志向でもないし、高専の学士審査の件もあり、昔の規約、制約に縛られている今の状態を変えたいと考えていました。変えられる場所を考えていた時に浮かんだのはベンチャー企業でした。 やっぱり学位を落とされた瞬間、価値観が大きく変わりました。

ーー大きな分かれ道だったのですね。

何も起きなければ、今頃北陸の電力で働いていると思います。あの経験は本当に地獄でした。 落とされた4人は研究をさぼっていた訳ではありませんでした。もはや研究時間に約3000時間費やしていたのに…

ーーそんなにですか!!!??

他の人も同じぐらい費やしていました。それで落ちてしまったので、先生方が気にしてくれて願書とか紹介してくれたのだと思います。 その時に言われた一言「落ちてしまったことはしょうがない。だったら人生変えてみれば?」 が今でも印象に残っています。その時に頑張っていた4人には必ずなにかこれから良いことがあるだろうと思います。
高専卒業して2年しかたっていなけど凄く懐かしく感じますw 卒業するとほとんどの学生がそうなると思います。高専には変態っぽく、やれば面白さを見つけてのめり込む、ぶち込んで行くような人が多いと感じます。でも5年間同じ環境にいると人間腐っちゃうから大変ですよねw

ーー途中で良い意味で逃げ出す、外にでる機会が必要ですよね

確かに。そう思います。

For KOSEN’s

ーー今からプログラミングを勉強する高専生にアドバイスをいただきたいのですが、おすすめの勉強法とかはありますか?

今はプログラムを理解した上で提案するようなディレクターが主流になっていたりするのでプログラムを知らないと少し大変なのかもしれません。Githubやコミュニティのようなものを時間ある時に見てみたりすることがおすすめです。これからエンジニアとして働くのですが、今考えるともっと早くからしっかりと勉強しておけばよかったなと思うので。
プログラムの勉強法とは少し違いますが、エンジニアとして必要ではないかなと思うことがあります。

ーーそれは何ですか?

ある方に言われた言葉ですね。

「例えばbootstrapなどのフレームワークを使ってサービスを作るのが凄いのか それともその根本とかを理解して自分が一から作れる方が凄いのか凄く悩んでいる。サービスを作る時にパパッと作ってしまうのであればフレームワークを持って来た方がいいのかもしれない。しかしエンジニアとして生きていくときに、自分自身でプラグインを作って、元あるものを作るのではなく、元になるものを作っていかないとこれからエンジニアは生きて行けないのではないだろうか。そこを考えられるエンジニアはこれからも成長できるしぜひ増えてほしい。どや顔をして持って来たサービスがあるけど、ただデータを突っ込んで取り出しているのをやっているだけのサービスをサービスだと言えるのか? おしゃれなデザインできました!って言っても今あるプラグイン使っているだけで自分が使い易いプラグインは作っていないよね? 難しいかもしれないけど新卒の人にはそういうことを考えてほしい」

この言葉は自分の中にずっしりと来ましたね。出来合いのツールを使うことも必要ですが、それらがどのような仕組みになっているか、さらにそれらを自ら組み上げることこそが重要ということをひしひしと感じました。

ーーそこまでしっかり考えることって大事ですよね。エンジニアだけでなく、他の職種においても。そう感じます。

ーー最後に高専生にアドバイスをお願いします。

自分が会社に入社する前に、あなたが会社に提供できるものを高専で見つけられると素晴らしい人生になると思います。 これはスケールを小さくしたものなのですが、本当はアメリカ人とかは世界にバリューを持たせる為にどう生きるかというものです。普通の高校に行かず、尖った考え方をしている高専生なら言えるものじゃないかなと思っています。それを意識して生活するだけでも相当変われると思います。

ーーすごく響きました。自分の価値というものを見つけることはとても難しいことだと思います。自分自身もまだ見つかっていないように感じます。

でもそれは自分だけで探そうとするのではなく、他の人達にも聞いてみてもいいんじゃないかな?自分が考えると違う見方ができるので。という自分も悶々としていますよ!w 周りには凄い人がたくさんいますからね! お互い頑張って行きましょう!

ーーありがとうございました!

インタビュアー紹介

abe

阿部 智樹

西さんは兄貴分のような存在です。インタビューの時間は西さんの強さが伝わる時間でした。自分が自分らしくなるために自分の提供価値とはなんなのかを改めて考える良い機会を提供してくださいました。考え方一つで大きく変わることを頭において生活していきたいと思います。


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