nishi-exp

PROFILE

穂満一成

都城工業高等専門学校卒。
高専卒業後、地元のシステム会社に就職し、
その後は高専時代のクラスメイトと株式会社アラタナを設立。
現在、株式会社アラタナ専務取締役。
エンジニアと経営者、二つの顔をもつ穂満さんに、これまでの歩みについてお話を伺った。

いままでのご経歴について

ーー何故高専に入ろうと思ったのですか?

僕が都城高専に入学する2年前に都城高専がロボコンで優勝したんです。電子工作を小学生の頃からやっていてその分野に興味があったので、そのことがきっかけで高専を意識するようになりました。そのうえで、5年間一貫教育で、国立、先生ではなく最先端を研究しながらの個性のある「教授」が教えて下さる、留学生を受け入れて国際的な一面もあるという、地元の他の学校にはない独特な空気に魅力を感じ入学しました。

ーーでは、高専ではロボコンをされてたのですか?

結局、ロボコンは2年くらいまでしかやりませんでしたが、高専はパソコン・インターネット環境がかなり充実していたので、そういった環境の中で1年生の時に習ったHTMLを作る授業でWEB系に興味を持ちました。しかし、電気工学科は弱電から強電まで幅広く扱う学科だったので、WEBに関する深い知識は独学するしか有りませんでした。
(今だから言えますが)授業そっちのけでWEBの勉強やホームページのレイアウトばかり考えていましたね(笑)。そしてオンラインゲームにハマり込んでしまいまして、そのオンラインゲームで知り合った人達から「仲間内のホームページが欲しいよね」という声が上がり、僕の知識が使えると思って作り始めました。「すごい!」とか「もっとこうしたい」という要望に応えるうちに“職にしたい”と意識するようになります。5年時には卒研で、RedHat Linux 9という当時はオープンソースだったRedHat Linuxを学ぶ機会があり、その夏には自宅サーバーを構築する知識も得られたので完全にWEB系に職を持つ事を決めました。

ーーWEB系に進路を決められてからの就職活動はどのようにされたのですか?

WEB系に職を持つ事を決めましたが、WEB制作の求人はほとんどなかったので、職探しも自力でした。妥協して別の業界に行く事も考えましたが、どうしても諦めきれません。結局卒業アルバムに就職先が記載されるリミットの1週間前まで決まってなくて、「就職率100%という築き上げられたものを俺が壊してしまうのか・・・」などと考えていました。そんな時、卒研の教授が、「君は頑固だな!でもやりたい事が明確なら私も先輩が働いている会社をあたってみよう」と言って下さり、それがご縁で地元のシステム会社でWEBデザイナーとして就職ができました。
そのシステム会社では本当にのびのび仕事をさせていただき、WEBに関するすべての仕事(サーバーインフラからWEBデザインまで)を任せていただきました。ただ、もっと精力的に仕事をしたいという理由で、3年1ヶ月勤めた後退職。高専時代の友人(濱渦)が宮崎に帰ってきてWEB系の仕事をSOHOでやっていたので、一緒に「株式会社アラタナ」という会社を作りました。ネットショップの構築を支援する会社なのですが、今年7年目でスタッフも100名ほどになってきました。

ーー高専時代のご友人(濱渦さん)と起業されたということですが、“濱渦さん”のどこに一番魅力を感じたのですか?

一番大きかったのは、親兄弟や他の友達には恥ずかしくて言えないような「夢」とか「野望」を熱く語り合えたというのが大きいです。普通はあんまり本気と捉えないような事でも「それ一緒にやったら面白いじゃん!」など、ポジティブに話せる仲でした。
また、濱渦はアイデマンで常に1歩2歩先の事を考えており、それを僕が形にできればと思いました。

ーー濱渦さんとは高専時代から仲が良かったのですか?

高専時代の3年生くらいまでは、同じ学科でしたがあまり話すことはなかったですね。ただ、3年生からは実験で同じ班になる機会も増えて、少しずつ共通の趣味(PCやWEBなど)の話題で盛り上がっていたように思います。

ーーなるほど。昔からの大親友というわけでなかったお二人が卒業後に出会い、起業されたということですね。
アラタナさんの設立後、いままで大きな衝突などはなかったのですか?

そうですね、プライベートで遊びに行くとかそういうのはあんまりなかったです。

大きな衝突はありませんが、もちろん衝突することはありました(笑)。
でもそれって例えば登山で、「危険だけど急な道のほうが早いよ!」なのか「みんなの歩幅に合わせて緩やかな道登ろうよ」というように、同じ頂上を目指すにも何が最善かだったり、何を優先するのかってことで、お互いを傷つけあうことを目的としてないことは明らかです。
互いに良くしようとする中での衝突ですから、それを前提として置かないと「なんだこいつ、面倒だな」という関係になってしまうのだと思います。
たとえ胸をえぐられるようなことを言われたとしても、それがその人自身の私利私欲のために言ってるんじゃないと分かれば問題にはなりません。
友人同士で企業するとうまくいかないということをよく聞きますが、僕らは根底として互いを尊重し合ってきました。
あとは濱渦が社長、僕が専務と決まった時から僕は「社長」と呼ぶようになりました。今では名前で呼ぶほうが恥ずかしいくらいです(笑)。

ーーちなみに先ほどのお話しでも少し出ましたが、穂満さんの今の野望というのはなんでしょうか?

宮崎で1000人を雇用する!

ーー素敵な野望ですね!

大切なこと

ーー穂満さんが技術者として大切にされていることを教えてください。

技術者として大切にしているのは「自分自身楽しむ」ということ。そして「技術が世界を面白くしているんだ」という意識です。
自分から何かを作り出せるという職業は本当に尊いものです。作り出す際に必要なのは「どれだけ好きか」とか「楽しんでいるか」ということで、それが結果として現れると思います。

ーーでは、経営者として大切にされているものを教えてください。

経営者として大切にしているのは「野望は大きく、態度は小さく」です(笑)。これ、実は学生時代の先生の「文字は大きく、態度は小さく」というお言葉を勝手にもじらせていただいたものなのですが、大きなビジョンをもって原動力にし、人と接する際は謙虚でありたいという気持ちです。
実際にやれてるかは・・・まだわかりませんが、意識しています。

ーー「Time Design」という言葉をアラタナさんでの自己紹介ページでお使いになられていますが、この言葉の意味を教えてください

Time Designは2004年からドメインも持ってるくらい好きな言葉なのですが、「時間は浪費すべきではない。楽しく生きてデザインすべきだ」という座右の銘を現した造語です。

2004年に5年間の高専生活を終え社会人になりました。その時、これからほとんどの時間を仕事に費やすことになると感じていて、平等に与えられた時間で自分が一体どうすれば事を成せるのか考えていた時期でもあります。

かっこつけな言葉ではありますが、1秒1秒を大切に、そして周りの誰よりも濃い時間を過ごせたらハッピーだなーって思っています。

For KOSEN’s

ーー最後に高専生にアドバイスをお願いします。

自分の人生は自分が主役です。誰に何と言われようが、最終的に決めるのは自分です。だから、その時、その時で一番やりたいことを「徹底的に」やればいい。その時は単なる心細い「点」でしかなくとも、振り返ると「線」になっていることがあります。

学生時代に勉強そっちのけでゲームばかりしていた話を少し述べました。そこで出会った人たちのおかげでWEBの業界に興味を持つことができ現在に至っているわけですが、後日談があります。

シリコンバレー在住の英語と日本語ができる中国人とその当時友達になっていて「いつかアメリカ行くときは泊めてよ」などと冗談を言っていたのですが、2005年にゲームのサービスが終了してしまいました。その2年後にメッセンジャーに久々にログインすると、なんとその友達がINしていました。この時は2007年で、濱渦と一緒にアラタナを作るのかどうかを悩んでましたが、アドバイスももらうことができて起業することになりました。

そうして月日が流れ、4年後の2011年、ひょんなことからシリコンバレーに行くことになりました。初の海外で知人もいない。どうしようかと思ってましたが、また久々にメッセンジャーにログインするとやっぱりその友達がINしていました。現在は日系の企業に勤めていて、ちょうど同じ日に日本人が来る予定だったとのことだったので、便乗してApple本社やスタンフォード大学、サンフランシスコなど連れて行っていただきました。そして、最終日に本当に家に泊めてくれたりしました。この出会いは普通ではありえない事だと思います。

ゲームをしていたことを正当化したいのではありません。
ただ、やるなら「徹底的に」楽しみ、それが何かチャンスに繋がり、チャンスが訪れたときに掴める状態にしとくという事かと思ってます。
それが「線」に繋がることなんだと思います。遊ぶ時は徹底的に遊ぶ、勉強するときも徹底的に、仕事するときも徹底的に。自分の人生なのですから、徹底的に楽しみましょう。

ーーありがとうございました!

インタビュアー紹介

honda2

本田 郁弥

穂満さんは僕の目標です。会社の専務取締役というお忙しいなか、宮崎で行われている様々なイベントに参加され、ご自身でも数々のイベントを開催されています。また学生の無理なお願いにもいつも笑って答えてくれる粋な方です。
“1秒1秒を大切に、そして周りの誰よりも濃い時間を過ごせたらハッピー”というのを本文でも言われてましたが、その言葉をまさに体現されている方だなと思います。
僕もこれからの人生、穂満さんのように、自分の納得のいく”TimeDesign”ができるようになりたいです。


穂満 一成 都城高専卒 株式会社アラタナ 取締役」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>